【教職員インタビューVol. 4】臨床工学専攻 森崎綾先生にインタビューしました!

2024.07.01

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今回は、専攻科 臨床工学専攻 森崎 綾 先生にインタビューをしました♪

~臨床工学技士になったきっかけ、当時の仕事内容について~

Q: 森崎先生が臨床工学技士になったきっかけを教えてください
A: もともとPT(理学療法士)になりたかったんですね。幼いころに病気をしまして、その時にPTを知りました。機械を使って患者さんを治療するんですけど、幼いころから機械を使うのが好きで。でも、当時PTになるには身長規定があったんですよ。それで身長が足りなくて、結局医療機器の製造とか販売、機器の内部を勉強するという地元の大学の学科に進学しました。卒業するタイミングで、全国的に臨床工学技士という資格ができることになったんですね。
たまたま身内に、地元の病院の事務長をしている人がいて、その人から臨床工学技士の資格が取れるならうちに来ていいよと言われて病院に就職しました。

Q: 当時は女性の臨床工学技士さんは結構いらっしゃったんですか。
A: 現在の男女比は6:4くらいですが、当時は女性は非常に少なかったです。人工心肺を回している技士さんは、九州では私を入れて2人しかいないって言われたことがあります。
当時は女性の宿直(夜間に勤務先に泊まり込みで勤務すること)は認められていなくて、女性は職場で寝泊まりしてはいけませんでした。男性技士はいいのに女性だからという理由で帰らなくてはならないのが不満でしたね。

Q: 当時の仕事内容を教えてください。
A: 臨床工学技士のできる範囲の仕事は全て行っていました。オペ室に最高で3日半ぐらい、4日近くいたこともあります。予定していたオペが終わったら今度は冠動脈をカテーテルで破ってしまった患者さんがオペ室に入ってきて、という感じで4例続けて手術に立ち会ったことがあります。当時は出来たばかりの心臓外科で先生方もやる気満々だったんですね。バチスタ手術(*血液を全身に送り出す左心室の筋肉が膨らんでしまったものを切り取って心臓を小さくする手術)がまだ知られていない時に立ち会って人工心肺を担当したこともあります。

Q: とても大変なお仕事ですね。先生にとって臨床工学技士という仕事の魅力は何なんですか。
A: 直接治療に携われる点です。特にオペとか、目の前ですぐに成果が見られる。患者さんの命が助かるってことです。担当した患者さんが病室で座って食事できているのを見たり、起き上がっていたりするのをみると「ああ、よかったな」って思います。でも、逆にいえば目の前で命をなくす仕事でもあります。今でも思えていますが、初めてオペ室で患者さんが亡くなったときには、本当はオペ室で泣いたら不潔になるのでダメなんですけど大号泣してしまいました。

Q: 臨床工学技士の仕事内容に医療機器のメンテナンスがありますが、手先は器用な方がいいのでしょうか。
A: 昔は機械を分解してはんだ付けしてってこともありましたが、今はないですね。決められたところを外してはめてっていう感じで、レゴブロックを組み立てる程度の感覚ですので心配しないで大丈夫です。

~卒業した学生の進路について~

Q: 臨床工学技士の資格をとられた方々はどのような仕事に従事する方が多いのですか。
A: 一番従事者が多いのは慢性維持透析、血液透析ですね。あとはICUや病棟で使っている人工呼吸器の状態チェックとか。病室をラウンドして回って装置を確認するので臨床工学技士は病院内で目立ちますね。最近ですと美容外科もあります。レーザーメスの管理とか輸液ポンプの管理をするみたいです。他には医療機器の開発とか、まれにプロスポーツチームで酸素カプセルを管理するような求人がでることもあります。ドクターカーとかドクターヘリに乗って出動することもあります。最近は災害医療支援船もできました。

~受験生にむけて~

Q: 活躍の場は広いんですね。本学の臨床工学専攻の売りは何でしょうか。
A: やっぱり臨床検査技師とのダブル・ライセンスがとれることです。4年生の大学でも両方の資格をとれる学校ができ始めているんですが、4年生の時にほぼ3週間の間に2回国家試験を受けないといけない(臨床検査技師は2月中旬と臨床工学技士は3月第1日曜日)。ここですと3年目に臨床検査、4年目に臨床工学と別々に受験できます。

Q: 最後に,どのような学生さんに入学して欲しいといったご希望はありますか。
A: そうですね。私の昔からの信念なんですが、患者さんが自分の家族だと思って接することのできる人になって欲しいので、そういう人に入って欲しいです。工学技士の仕事は人の命をボタン一つでなくしてしまうこともある仕事です。
呼吸器や人工心肺、透析など、毎日同じことをしているので、つい簡単なことって思いがちなんですが、ちょっと目を離しただけで患者さんが亡くなってしまうこともあります。資格を取った方にはいつまでも初心を忘れないでいて欲しいです。

 


森崎先生、ありがとうございました!次回のインタビューもお楽しみに!